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BPO(Business Process Outsourcing)について

最終更新日:2025年6月2日

カテゴリ:経営管理

1.BPOとは

(1)BPOとは

 BPOとは、「Business Process Outsourcing:ビジネス・プロセス・アウトソーシング」の略で、 企業の業務プロセスの一部を外部に委託(アウトソーシング)し、業務の効率化やコスト削減を図ることを指します。
 人事総務、経理、購買業務、情報システム、ヘルプデスクなど、さまざまな業務領域で利用されています。
 ノンコア業務の一部や自社でノウハウを持っていない業務プロセスを外部に委託することで、コア業務へのリソースの集中やノンコア業務の効率化といった効果が狙いです。

(2)シェアードサービスとは BPOとの違い

 シェアードサービスとは、グループ企業や企業の事業部それぞれで設置されている間接部門の業務を1カ所(シェアードサービスセンター)に集約し、 全体の効率化を図る経営手法です。
 シェアードサービスは、BPOと同様に業務の効率化やコスト削減を目的に実施されますが、その委託先が“外部企業ではない”点が特徴です。
 シェアードサービスを担うシェアードサービスセンターは、BPOと異なり企業内で組織します。

(図1)

BPO(Business Process Outsourcing)について 図1

(3)シェアード化・BPOとBPR

 シェアード化・BPOの主な目的は、コスト削減や社内リソースの最適化です。
 シェアード化・BPOを実施する時にBPRを合わせて実施するケースとシェアード化・BPOを実施後、BPRを実施するケースがあります。

(図2)

BPO(Business Process Outsourcing)について 図2

2.BPOの市場規模

(1)BPOの市場規模

 株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)市場を調査し、 サービス別の動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

(図3)

BPO(Business Process Outsourcing)について 図3

(2)BPO市場が拡大している理由

(出典:https://officenomikata.jp/coverage/14993/より)

①企業の人手不足

 少子高齢化による人手不足が、BPO市場拡大の要因の一つと考えられる。
 企業は人手不足解消のために、バックオフィス業務や外部委託が可能な業務はBPOで対応しているという背景がある。

②働き方改革

 労働契約法の改正による無期雇用社員の対象者増加や、労働者派遣法改正における直接雇用化、時間外労働の上限規制なども、BPO市場が拡大している理由だ。 企業が有期労働契約の雇用をためらうようになったことと、時間外労働の上限規制で既存の従業員だけでは業務がまわらなくなり、 不足するリソースをBPO委託で補填せざるを得ない状況となっている。
 参考:「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」について(厚生労働省))