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BPO(Business Process Outsourcing)について

最終更新日:2025年6月2日

カテゴリ:経営管理

3.BPO導入の各STEP

(1)BPO導入の各STEP例

 BPOを実施する場合、以下の各STEPの記載内容に従い順次、実施していきます。

(図4)

BPO(Business Process Outsourcing)について 図4

(2)STEP1

①STEP1では、全体計画を作成します。

②以下の各内容について検討します。

 スケジュール

 BPOの目的、背景

 期待効果
  例)コスト削減、効率化、品質向上、事業継続等

 対象会社、対象業務
  BPOの対象会社、対象業務を検討します。

 BPOの体制
  シェアードセンターとBPOのハイブリット型の場合、両者の役割分担・位置づけの明確化

 ハイブリット型の場合のシェアードセンター位置づけ
  コストセンターとするか、または、プロフィットセンターとするか

 プロジェクトの推進体制
  BPOを実施する場合、業務の標準化・業務改善・業務改革を実施するかどうかを検討します。
  ハイブリット型の場合のシェアードセンターの業績管理の方法について検討します。

 サービスレベルの設定

 その他

(3)STEP2

①現状業務の可視化を行います。可視化を行うために現状業務について関連資料の閲覧をヒアリングを実施します。
 ヒアリング結果を業務フロー等として整理します。

  • 現状業務の可視化
  • 現状業務の業務分掌の理解
  • 業務分掌規程等に基づく現状業務のヒアリング
  • 現状業務の業務フローの理解と整理
  • 業務フローの作成
  • 関連資料の理解と整理
  • 使用しているエクセルの理解、整理
  • 資料の内容、利用者、利用状況の整理

(4)STEP3

①BPOを実施して効果が出るように業務標準化を行います。

②業務標準化を行うことでプロセスの整理・統廃合等が可能となります。

  • 業務標準化の取り組み
  • 標準化対象領域の決定
  • プロセスの整理・統廃合
  • 標準プロセスの文書化
  • グループ共通会計システムを導入する場合
  • 会計システムの標準プロセスに合わせて業務プロセスを標準化
  • コード体系の統一(勘定科目マスタ、得意先・仕入先マスタ、セグメントコード等)
  • 会計システムと周辺システムとのデータ連携

③標準化を行うための問題の特定とその改善策を検討します。

④問題を特定するために関連部門から要望等を整理し解決すべき問題を特定します。

⑤解決すべき問題の原因の検討と原因の改善策を検討します。
 改善策は、優先順位をつけて実行します。

 問題の程度、範囲の整理

  • 問題の洗い出し
  • 問題の構造化(要素の洗い出しとその関係の整理)
  • 解決すべき問題の検討

⑥問題の原因の整理と改善策の検討

  • 問題の原因の整理
  • 原因の改善策の検討
  • 改善策の優先順位付け(例 コントロール可で効果が大きいものを優先)

(5)STEP4

①BPOの対象業務を検討します。

  • 対象候補となる業務を定型業務と非定型業務に区分します。
  • 定型業務の作業工数等を調査し、BPOの対象業務とするかどうか検討します。

②対象業務を選定するために以下の調査を実施します。

  • 定型業務と非定型業務の調査
  • 現状業務を定型業務と非定型業務に区分
  • 定型業務の作業工数、実施者、実施内容、実施頻度、金額等の調査

③上記の調査を踏まえて定型業務の中からBPO対象業務を選定します

(6)STEP5

①BPO実施後の業務フローを作成し、BPOと関連部門との役割分担を明確にします。

②本社経理等とBPOとの役割明確化
 STEP4までに作成した業務フローをBPO実施後の業務フローに役割の見直しを加筆します。

  • 情報の連携方法、連絡手段等の明確化
  • BPO内で承認作業を実施するかどうか検討

(7)STEP6

①業務移行準備を行います。
 移行準備には、業務マニュアル等の整備、対象者への教育、移行リハーサル、契約面での整備を行います。

②教育計画の作成と実施

  • 教育計画の作成
  • 業務マニュアル、システム操作マニュアル等の作成
  • 教育の実施

③移行リハーサルの実施

  • 移行計画の作成
  • 移行リハーサルの実施

④契約締結

  • 契約書作成、締結
  • SLAの作成、締結

(8)STEP7

①本番稼働後は、BPOの管理を行います。
 BPO実施後も継続的に受託側で業務改善を行い業務効率化を行います。

 (以下、ご参考)

 以下は、シェアード化を実施した場合の管理です。

  シェアード化後の人材活用、モチベーション向上のための施策等人事管理面でも留意します。

  シェアードセンターの管理例

   業績管理

   サービスレベルの管理

   受託業務の業務効率化の取り組み(業務の自動化等の取り組み)
    効率化によるコスト削減効果を委託元へ還元するかどうか
    還元する場合の受託料金への反映基準

   シェアード後の人材活用

   モチベーション低下対策

   シェアードセンターと本社経理部等の人事ローテーションによるモチベーションアップ

   企画立案業務と実務の両方を経験